年末になってきて、慌ててふるさと納税をしようと思っている人も多い時期ですよね。
ふるさと納税は、年末になるとクレジットカード払いでないと時期的に間に合いません。
ところが、夫婦共働きなどで妻のふるさと納税の申請をするときに、支払いが夫名義のクレジットカードだとNGであると勘違いしている人が多いです。
つまり、
寄附申込者とクレジットカード支払いの名義が異なっていても基本的に問題ありません。
家族カードも問題なく使えます。
誤解していたり、知らない人も多いようですが、申請者とクレジットカードの名義が同じでなければならないという都市伝説を信じている人が多いです。
目次
なぜ、都市伝説は生まれたか?
そもそも、なぜ寄附申込者とクレジットカードの名義が同じでなければならないという都市伝説が生まれたのでしょうか?
ふるさと納税のポータルサイトふるさとチョイスで下記のような記載があります。
Q2:寄附を申込する人と寄附のクレジットカード決済をする人が違っても大丈夫ですか?または寄附を申込する人と寄附のクレジットカード決済をする人が違って寄附してしまった!
A:原則は寄附申込者とその寄附のクレジットカード決済者は同一でなければ、「寄付金税額控除申告書」は有効となりません。寄付控除を受ける方と決済をする方は同一である必要があります。
もし間違えて寄付をしてしまった場合は、お手数ですが、ふるさと納税をした自治体に直接お問合せいただき修正等の依頼をしてください。ふるさとチョイスでは修正することができませんのでご了承ください。掲載品数No.1のふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」。お肉やお米など全国の特産品57万品目をご紹介。クレジットカードにも対応。ランキングや寄付上限金シミュレーションがあるから初めての方でも寄付が簡単です。
上記より、明確に寄附申込者とクレジットカードの名義が同じでなければならないと記載があります。
ところが、
実際に支払いに利用するYahoo!公金支払いヘルプによれば、
■名義が異なるクレジットカードでのお支払いについて
ふるさと納税では、申し込みをした本人以外の名義でもお支払いに利用できます。
ただし、地方公共団体によっては、寄付者本人名義のカードでの支払いを推奨している場合があります。詳細については納税先の地方公共団体へお問い合わせください。
また、支払い手続き完了後は、支払いの取り消しや支払い方法(クレジットカードの種類)の変更はできません。お支払い前によく確認してください。
Yahoo!公金支払いヘルプより引用
つまり、「申し込みをした本人以外の名義でもお支払いに利用できます」とあるわけで問題ありません。
でも、よく見ると「地方自治体によっては・・・」とあります。
実はここがクセ者なんですが、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?
なぜ、地方自治体によって解釈が違うのか?
こればっかりは、私自身がすべての自治体に確認したわけではありませんので、推測も含め私の見立てはこうです。
簡単に言ってしまえば、「担当者の解釈が誤っている」場合があると思われます。
つまり、「寄附申込者とクレジットカードの名義が同じでなければならない」と言っている自治体があるとすれば、担当者が誤解している可能性が大きいです。
ふるさと納税の申告は基本的に確定申告で税務署です。
確定申告書がOKかNGかを判断するのは税務署ですから、聞くのであれば税務署に聞くべきです。ただし、時間のムダですし結果が変わるわけではないので、本当に聞きに行くのはやめましょう。中途半端な知識ではやぶ蛇になる可能性が高いですので電話で気軽に問い合わせるレベルではダメです。きちんと知識武装して資料を準備した上で相談する必要があります。
私なりに調べたところ、寄附申込者とクレジットカードの名義が異なっていても問題ないようです。
そもそも、確定申告のときに寄付したことを証明する寄附金受領証明書(寄付をすると寄付をした自治体から送られてくる)の記載内容は、個人情報の部分だけをみると、寄付者の名前と住所しかありません。
支払者の名前は不記載です。
また、支払い方法やクレジットカードの名義などの記載は一切ありません。
よって、確定申告にはまったく問題ないということは理解していただけるかと思います。
それでも、心配な人は
(追記・削除します2016/11/16)
あらかじめ寄付をする予定の自治体に聞いてみましょう。
自治体の中にはいまだに、異なる名義は推奨していないところがあるようですが、もし理解してもらえない場合は、根気強く上記の説明を担当者に説明してみましょう。
自治体に問い合わせるのはおすすめしません。やぶ蛇になるからです。時間のムダになるだけで得るものはありませんのでくれぐれもご注意ください。
別名義のクレジットカードが使えるかどうかの問い合わせに対し、自治体の担当者が受付できないと回答するケースがあるようですが、ふるさと納税ポータルサイトでは別名義のクレジットカードで普通に決済ができます。
そもそも、国税が認めていることを、いち地方のいち自治体のいち担当者が、独自の解釈を主張するのもおかしな話です。
なお、ふるさと納税ポータルサイトのうち楽天のみ本人名義のクレジットカードでないと決済ができないようです。
(追記・削除します2016/12/17)
楽天でも問題なく家族名義のクレジットカードを使うことができます。方法は注文するときに、自動入力されている名義を納税者の名義に変更するだけです。
下記の注意書きの通り、「注文者情報」のところを納税者の名義にしてください。
寄付申請者とクレジットカードの名義が異なってもOKな理由
ここから先は、完全に私の解釈です。
まず、夫婦などクレジットカードを利用するとき、夫のカードで妻の買い物をすることはよくあるかと思います。
ふるさと納税をするときも、妻が寄附申込者となる場合に夫のカードを利用することは社会通念上問題ないわけで、夫は妻のために立て替え払いをしただけです。
また、夫婦間のお金は社会通念上、同一家計と考えられますのでその上でも問題ありません。
もし、問題となるとすれば、立て替え払いを証明する文書があるかどうかということになるかも知れません。
そんな文書は誰からも要求されることはありません。
しかし「立て替え払いを証明する文書」を作成して手元にあれば、寄附者本人が異なる名義のクレジットカードから立て替え払いにより、寄附を行ったことは、誰が見ても明らかです。
こんな文書を作らなくても、問題になることはありません。
ふるさと納税ワンストップ特例制度の場合はどうなるか?
このページの下のほうのアンケート欄から質問がありましたのでここで回答します。
家族名義などのクレジットカードでふるさと納税した場合に、ワンストップ特例制度の取り扱いはがどうなるか?ですがとくに問題はないと思います。
下記の書類はワンストップ特例制度の申告書ですが、
申告書には申請者(納税者)の名義を書くことになってますので、その通りに記載するだけです。クレジットカード払いで家族名義のクレジットカードを使ったとしても、あくまでも申請者(納税者)の名義を記入すればOKです。
難しく考えることはありません。そもそも、クレジットカードの名義を書く欄はありませんので間違えようがありません。
ところで、個人的な感想ですがワンストップ特例制度って、めんどうな気がします。確定申告を一度でもしたことがある人ならおそらく確定申告のほうが楽ですよね。
下記のページに「確定申告書等作成コーナー」というものがあります。
これを使えば誰でも簡単に確定申告ができますので、まだ確定申告をしたことがない人は一度試してみることをオススメします。
ふるさと納税のワンストップ特例制度はその都度、申請しなければならないので手間がかります。申請したかどうかを忘れた日にはもうカオス状態です。
納税後、自動的に送られてくる受領書を集めて確定申告をするほうが気が楽です。よかったら参考にしてみてください。
今日のなるほど!
ふるさと納税のクレジットカード払いで寄附申請者とクレジットカードの名義が違っていても問題ありません。私自身も何の問題もなくできてますので。なお、寄附先の自治体に確認してもやぶ蛇になりますのでくれぐれもご注意ください。
コメント
「クレジットカードの名義が寄附申請者と違っていても問題ありません」
こちらについて実際に数か所の自治体で申込を断られてしまいましたので、
コメントさせていただきます。
こちらの記事に水を差すようになり、申しわけございません。
国税が認めているのなら確かに違法ではないとは思うのですが、
実際に、申込不可である自治体も増えていますので、必ず事前に確認をするよう、
そちらの旨を記載されたほうが良いかと思いました。(読者さんのために)
けん様
このたびはコメントありがとうございます。
記事内でも指摘させていただいておりますが、自治体独自の判断で申込み不可といわれた場合は法的根拠等があるかどうかも含め聞いてみることをおすすめしたいところですが、時間のムダになる可能性が高いです。自治体に聞いてもやぶ蛇になります。
自治体の判断如何にかかわらず(自治体に問い合わせて断られたとしても)、決済自体は可能と思います。少なくとも配偶者のクレジットカードを使用する場合、立て替え払いを証明する文書を作っておけば問題ないと思います。
どうしても問い合わせたいのであれば、上の「立て替え払いを証明する文書」の見本を持って税務署に行くべきだと思います。
>実際に、申込不可である自治体も増えていますので、必ず事前に確認をするよう、
>そちらの旨を記載されたほうが良いかと思いました。(読者さんのために)
読者さんのためにというのであれば、私、ラジカル大家は読者さんのために可能であるのに不可能と言うより、可能であることは可能であると正確に伝えたいと思っております。これはこのブログのコンセプトでもあるからです。
ふるさとチョイスだけでなく、ふるさと納税関連の雑誌でも同様の表記を見つけました。
私は、ふるさと納税初心者で昨年、私名義のクレジットカードでしていました。
しかし、どこの自治体からも何も言われず、その後に「本人名義のクレジットカードで」という表記をめにしました。
その時、なぜ社会保険料などは同一生計一緒に控除できるのに、ふるさと納税はクレジットの名義が違うだけで駄目なんだろうと疑問でした。
この記事を読んですっきりしました。
税制法の解釈がこれから各自治体に浸透していけば良いなと思いました。
ありがとうございました。
今年ふるさと納税をしなければいけなくなったのですが、私が主に注文してという事になり、簡単に考えていたら私のクレジットカードではできない…?!という疑問を持ったまま色々と検索していました。
家族カードも持っていないし、夫名義のクレジットカードも持っていません。
それでも納税者は夫の名前でクレジットカードは私名義の物でも問題ないでしょうか?
毎回コンビニ払いにするのも面倒ですし、ポイントも貯めたいので…
ご教授願います!!
他人名義のクレカでも問題ありません、と明記することは避けた方が良いかと思います
寄附金控除が認められるのは、所得税法第七十八条により、
【居住者が、各年において、特定寄附金を支出した場合】です
又、夫婦間の財産の帰属に関しては、民法第762条により、
【夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産】は本人の財産
【夫婦のいずれに属するか明らかでない財産】は、共有財産と推定されます
あくまで私見ですが
サラリーマン家庭等で少額のふるさと納税を楽しむ程度なら、名義の問題程度は
問題にされない可能性が高いと思われます。ですが、そうでない場合
例えば、寄付者が所得税の調査等を受けた際、特に寄附金の支出が多額である場合は、
支払の源泉について問題にされることを考慮すべきかと思われます
渡しなら、問題ありません、ではなく、
問題にならないケースがほとんどかもしれません、程度に逃げておきますw